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清見オレンジ






晩性種のみかんの代表となった「清見オレンジ」
輸入みかん全盛の中で良く健闘しています。

「清見オレンジ」は、バイオ技術で生作された国産第1号の「タンゴール」なんです。
タンゴールとは、みかん×オレンジの交配なんですが、これが簡単ではないのです。
なぜなら、みかんはヘテロ(異形接合)果実で、長いこと「処女生殖」を続けてきたのです。
つまり、♂は居なくても、♀のみで種を増やしてきた、特殊な果実なのです。バイオ技術なくして産声は、聞けなかった。


成功したのは、静岡の興津農業試験場。そのタンゴールの中から選抜されたのが「清見」です。
この名前は、さかさ富士を映すと有名な「清見潟」からつけられました。
「タンゴール」という名前のみかんが有ったら、この話思い出してね。
タンゴール



















清見オレンジを排出した「タンゴール」とは、そもそも何なのか?というお話です。
タンゴールとは「タンジェリン(みかん)」に「オレンジ」を交配したみかん類の総称です。
「Tangor」erineと「Or」angeを合体させた実にシンプルな名前なのです。
例えるなら、いのしし+ぶた=イノブタというところでしょうか。


みかん類には、自然に交配して出来た、「いよかん」「タンカン」など日本のものも多いが、(自分的には、「デコポン」とか好きだなー)
アメリカでは、スイングル博士・フロスト博士などの植物学者が、積極的に交配させて「マーコット」「ウマティラ」など世界的に有名な柑橘類も多い。
(日本ではまだ有名じゃない?イスラエルのスイーティーのほうが有名かな?)
しかし、日本も大型のみかんを作る努力はしている。でも予算は少なめ。
アメリカのような、バックに大富豪という訳じゃないので、これからは、バイオなどの技術が決めてとなる。

一昔前まで、今時期のみかんと言えば、「甘夏」だよね。この登場は、1959年(昭和34)年。
それまでの「夏みかん」って酸っぱくて、砂糖をかけて食べてたんだよ。
「甘夏」、じつは、ボケ夏みかんだったんだよ。(詳しくは甘夏参照)

みかん農家が目指す方向は、オレンジ・グレープフルーツに対抗する品種という図は、ここ何年も変わっていない。
年々、収入が減り続け、「ハウス栽培」ばかりが増えて行く。
労働と収入が、露地栽培では見合う事が無いのだから。
商売といえ、安さばかり求めて、作る苦労を忘れた結果だろう。
今、ここの地区でも、農家の平均年齢は高い。脱サラ組の成功は、まだ少ない。
エールを送るべき、消費者はどこを向いているんだろう。
作る喜びをもたらす消費者が、苦労を知る消費者が、増えることを祈っているのでした。
甘夏












ひと昔前は、夏みかんと言えば、酸っぱいみかんを連想しました。
酸味を減らすために木上で成熟させるとか、収穫後に追熟させるのが一般でした。
それでも、酸っぱいのは確実で身をとってから砂糖をかけて食べた記憶がある。

また、夏みかんの青い実に砒酸鉛(ひさんえん=今では使用禁止です)という殺虫剤をかけて減酸した
「ネオ夏みかん」という名前で市場に出たこともあった。


みんなは、甘い夏みかんを待望していた。
ついに『甘夏』という名前のみかんが1959(昭和34)年、東京市場に初出荷された。
市場関係者も消費者も、たちまちこのみかんを歓迎して、市場のスターとなった。

この『甘夏』の正体は、大分県津久見市の川野農園に以前からあった「ボケ夏カン」
すなわち、酸を忘れた変異種だった。

これを世に出した人、名前を「甘夏」と付けた人の発想はすごいよ。
プロジェクトX並。

以来、品種改良は進み、ますます甘味が増えて生産量を維持し続けています。

突然違う品種が実ったら、やっぱり普通の発想でなく、なんだろう!と好奇心を持ち続けなきゃだめなんだよね。
さー、何がみつかるのかなー。
グレープフルーツ








































地球上にみかん類が生まれたのは、今から2000万年〜3000万年前と推察される。
みかんは、その後たくさんのグループに分かれるが、すべてみかん科柑橘属である。
分類すると、
@みかんの仲間=温州・紀州・ポンカン
Aオレンジ・だいだい
Bタンカン・いよかん
Cブンタン・ばんぺいゆ
Dグレープフルーツ
E甘夏・はっさく
Fレモン・ライム
Gシトロン
Hゆず・かぼす・すだち
Iきんかん
Jからたち
等に分類される。

この分類は、花期、収穫期、食味などで分けられたもの。(私個人の分け方じゃないのよ)

その中でも、他と代わるものがないのが「グレープフルーツ」なのです。
18世紀中頃、西インド諸島バルバドス島で、母「ブンタン」×父「オレンジ」という、ノミの夫婦から生まれました。
当時の呼び名は「禁断の木の実」(Forbidden Fruit)という。何故なんだろう。
それが元で学名は「楽園の柑橘」(Citus Paradisi)と付けられた。
まだ、グレープフルーツじゃない。

この果実が誕生したバルバドス島は、カリブ海小アンティル諸島の東端に位置するさんご礁。常夏の楽園なのです。
常夏なのに、雨も多く、いわば「エデンの園」。それで、この名前が付いたのでしょう。

では、なぜ「グレープフルーツ」が呼び名なのでしょう。
なぜ「グレープ=ぶどう」が付いているのか?
2つの理由がある。まず、実のつき方がぶどうの房のようなこと、果肉の色がワインカラーの品種があることかららしい。


果肉の色が黄の方を「マーシュシードレス」ピンクの方を「スタールビー」と呼びます。
黄色のマーシュは、果肉がなめらかで種も少なめ。
ピンクのルビーは、カロチンや糖分が多く、濃厚な味です。
買う時は、重いものをおすすめします。
デザートに皮をゼリーのうつわとしてもきれいだよね。

ブンタンが親ですが、輸入品なので、皮は食べない方が良いでしょう。
(ブンタンの皮は良く、砂糖煮やあめになっていますが)

みんなはどうやって食べる?私は、手で剥いて食べるよ。
スプーンで食べると、隅っこの果肉がもったいない気がするもん。
食いしん坊の上に貧乏症・・・・。
スウィーティー&オロ・ブランコ

















































アメリカで生産されるとオロ・ブランコと言う名前ですが、 イスラエルで生産されるとスウィーティーと言う名前になります。
日本の文旦とアメリカのグレープフルーツを交配してアメリカで 商品化されましたが、手で皮をむくのが苦手なアメリカ人には受け入れられませんでした。
その後日本人がイスラエルで生産して日本向けに輸出したので、アメリカは慌てて生産を再開し、日本向けに輸出しだしました。
その為イスラエル産のスウィーティ―が有名になりましたが、 品質には差がありません。

最近のことですが、こんな話題がありました。
「スウィーティーの皮から出る汁で、プラスチックが溶けると聞いたのですが」

スウィーティーに限らず、かんきつ類には、スチロール樹脂を溶かす成分が含まれていることは、昔からよく言われていたことでした。
スチロール樹脂を溶かすのは「テルペン」という精油の主成分で、かんきつ類の外皮に含まれています。
かんきつ類特有のあの香りは、このテルペンなどに溶け込んでいるのです。
天然香料としても使われており、人体への影響はありません。

スウィーティーの皮には、他のかんきつ類と比べてテルペンが多く含まれていますし、手でむいたときには手がびしょびしょになるくらい汁気が多いため、樹脂に与える影響は、他のかんきつ類よりも大きくなりがちです。
皮が手でむきやすい、食べやすい果 物ですから、こたつに入りながらスウィーティーを食べていて、つい濡れた手でテレビのリモコンを操作していたら、リモコンの本体がスチロール製だったために変質してしまった、というのが問題の発端だったようです。

農林水産省でも、消費者から寄せられた相談に対応して、「消費者の部屋」を使い、かんきつ類の外皮の汁がスチロール製品を変質させることを実演して見せました。
特に発泡スチロールの場合、反応が激しいことから、はじめは消費者の方々も驚いたものの、程度の差こそあれ、すべてのかんきつ類に共通して起こるということがわかって、みなさん納得して帰られたそうです。

オレンジ、グレープフルーツ、ブンタン、清見オレンジなどこの季節ならではのさまざまな柑橘類がそろってるいる季節だからこそ、出来る楽しみ方を紹介します。

柑橘類は、味だけでなくて、なんといっても「香り」良い。
それは、皮の表面にある小さな粒に秘密があるのです。この粒がはじけると、香りが飛び散って思わず目を閉じちゃう?
香りの成分は、「レモニン」という物質で食欲を刺激する。
また、アロマ効果もあり、憂鬱な気分をはらし、疲れをとり、心を癒すとされている。

冬至に「ゆず湯」は、最もだ。香りを生かして入浴剤にしてもいいね。
天日で乾燥させたオレンジの皮などをラベンダー・ミントなどのハーブとガーゼや布袋に入れて、お風呂に浮かべるなんて、ゴージャス(叶姉妹状態さ)だよね。
心地よいシトラスハーブに包まれて、、今日あったいやな事もきっと忘れるよ。

車の中に転がしておくなんて使い方も。天然芳香剤?何かの時はのどをも潤すって、乱暴かなー。
忘れちゃいけないのが、皮部分を食べること。
柑橘類の皮には、驚くほどのビタミン・ミネラルが入っています。
皮を捨てちゃもったいない。そのままじゃ、食べれんよね。

そこで料理にどうですか?砂糖煮やジャムに入れるってのは、みんなやってると思う。
皮を細切りにして、サラダや酢の物に和えたりしてはどうでしょう。
色どりとしてもいいんじゃないかな。
ただ、ワックスがかかっていたり、グレープフルーツ・オレンジ等の輸入品は防腐剤が添付されているので、輸入物の皮は食べないほうが良いでしょう。
この時期にしか楽しめない、晩柑橘類、上手に暮らしに取りいれて生活を楽しもうね。
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