バナナ物語 | 果族物語INDEX |
バナナ Musa paradisiaca L. バショウ科 |
行楽の季節に、スポーツに欠かせないのが「バナナ」。 台湾、フィリピン、マレーシアなどから、すべて輸入品だ。 台湾はそのまま「台湾バナナ」として店頭に並ぶ。 バナナとしては、味が濃く高級な部類になる。 最近は産地とは別に「完熟バナナ」とか「デリシャスバナナ」「スィーティオ」 「自然畑」「自然農法」など小袋で売るのも増えた。 デリシャスなどは、りんごと違い、品種名ではない。 それぞれ「ブランド」の名前である。 また、完熟バナナは輸入禁止品なので、完熟というバナナは、本来ありえない。 では、風味や味がいいのは、何故なのか? バナナは、植物防疫法の規定があるので、輸入出来るのは、未熟果のみ。 外国の産地から、未熟の青いまま輸入される。 室は約20度で呼吸を多くさせ熟すのを促進し、次に冷却する。 その後、室に入り追熟して黄色になり市場に出る。 だいたい5日前後で色付けされる。 どのバナナも同じ経過をたどる。 完熟・デリシャスなどは、この追熟課程に「アルコール」などを使って特別に脱渋したものだ。(柿もアルコール脱渋をする) 渋が早く抜けるので、美味になるという訳なんです。 特にシュガースポットと言われる、黒い斑点が出ると、お店では売るのに困るが、自己免疫力が、数段アップすると解かってから、完熟が喜ばれるようになった。 アメリカでは、スポーツとバナナの関係が早くから研究されていて、陸上選手などのスポーツバックには、必ず入ってるらしい。 北海道の5月は、運動会の季節。 場所取り、大勢の宴会状態も今は無く、穏やかな運動会です。 少子化のせいもあるかな。 もはや、運動会にバナナではなく、メロン・すいか・アメリカンチェリーの時代。 日常に健康食として、楽しむ時代となった。 バナナは、マレーシアからインドのアッサム地方に元々自生していたと思われます。 今のバナナに種はありませんが、原種のバナナは当然、種が有りました。 いつの頃なのか、ずっと昔に、バナナが伝播する途中で種無しが人にとって、とても都合の良い事に突然現れた。 当然、食べるのに種は邪魔だったから、種無しバナナは熱帯の隅々まで伝播した。 すっかり無くなったのではなくて、原種も少しだけ現存します。 現地の人が食べているのだから、味は良いのでしょう。 マレーシアの「ピーサンウタン」種は、現存の中では一番古い品種。原種かも。 中には、米粒大の種がいっぱい入っている。味は、まあまあらしい。 (食べたことはないので推測の域は出てません) 同じくマレーシアの「コーラ」種には、アズキ大の種子がいっぱい。 コーラ種を食べる人はいなくなって、化石として残っている模様。 インドの野生種「バルビシア」は、丸い米粒ぐらいの種が、びっしり。 種のあるバナナは、すでに想像できないとは、思います。 甘く、しっとりとして、黄色いのがバナナのイメージになってからの歴史のほうが長いのだからね。 何故に突然に種が無くなったのだろうか? 遺伝子を乗せた染色体の一組が、野生種より多いことが最近わかった。 染色体が増えると種が無くなるのは、すでに種無しスイカで実現している。 ぶどうやりんごなどでも3倍体品種は、多くなっている。 子孫を残すという本来の目的の種が無いのに、子孫が増えるって・・・・? この矛盾を私は、説明できない。 都合よく、突然変異が起こり、各国に広まり、都合よく日本人も食べることになった。 自然がいつも都合が良いとは言えないけど、バナナは美味しいから、素直に喜ぼうと思うのだった。 果物って、本当に面白い。 食生活が豊かになった日本には、たくさんの熱帯の果実が輸入されている。 一口に熱帯と言っても、気候・風土はさまざまで、伝播するためには、たくさんの失敗があった。 大きな成功例としては、アマゾンのカカオを西アフリカに移し大産地となった例やインドのマンゴーを乾期に花芽をつけさせて雨期に成長させるなどの栽培方法、アンデス山麓のチェリモヤを冷涼な高地で栽培する、などかなりの努力がある。 その中でも、バナナの栽培は乾期も雨期も関係無く、比較的に楽だったようだ。 バナナ:Musa paradisiaca L. バショウ科。大草本で長大な花柄上に段状の花を輪生する。 赤紫の苞があり白色の花が咲く。 果実は色・形さまざまで、主食用のバナナは甘くなく焼いて食べる。 日本に入って来るバナナの大半は、細長いフィリピン産の「キャベンディッシュ」種と中南米産の「グロスミッチェル」種がほとんど。 たまに、赤い「モラード」種や、モンキーバナナで有名な「セニョリータ」種がお店で売っているようです。 でも世界中には、50aのジャンボからピンポン玉のミニまで、たくさんの種類があるんです。 珍種と言ったほうが、良いでしょう。 *タンドク種(牛角バナナとも呼ぶ)=長さは50a以上、太さ20aもあって超大型種。 *ピトゴ種=びわに似た丸くて小さい可愛いバナナ。最小種。 *エンサテ種=ナイル河流域の野生種。果実はまずく食べないが、茎が甘いのでさとうきびの様にかじって食す。 *フェイ種=バナナの房が天に向かって突っ立って実をつける。茎から出る赤い液が飲料になる。 モンキーバナナに類するものにも、ベビー・レディースフィンガー・アップルなどのバナナがある。 モンキーは、「イナルニバ」(蜜)種で、甘味が強く、とろっとしていて香りが良い。 美味しいものは、すぐに普及して伝播していく。 ラーメンしかり、デザートもそう。 もう1度食べたい、みんなにも食べさせたい。 こんな思いが、歴史を作っていくんだよね。 食いしん坊は、偉いってことだべさ! |
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