なしのはなし

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みしらず
余市で明治中期に中国からの種子を植えた木に実がついた。当時、中国梨を「ヤーリー」と呼んだが、そのヤーリーの偶然実生として生まれたので、生まれが分からないことから「みしらず」と呼ばれた。
みしらずは、豊産で身のほど知らずという意味でも使われました。
いつしか、その豊産性から「千両梨」と呼ばれています。中国梨と同じ様に、青みが有るうちに食べるのがおいしく、黄色くなると味がおちます。
だるま型ですが、洋梨とは違うので、やわらかくなったら、コンポートやジャムにするのが、おすすめです。
2つの名前
典型的な洋梨で栽培しやすく本場の欧州で一番多く作られ、缶詰にも加工されるのが「バートレット」。しかし、この名前で呼ぶのは、日本とアメリカだけだ。
本名を「ボン・クレシアン・ウィリアム」といい、1770年頃にイギリスのウィリアム氏が発見し自分の名前をつけた。
時がたち、アメリカ大陸に移住したバートレット氏が持ち込んだ苗で栽培した中で、おいしい梨に自分の名前をつけた。
その後、同じ品種と判明したが2つの名前で呼ばれる事になった。おいしければ、どっちでもいいんだけどね。
思わぬ拾い物
和梨の中で甘い丸梨の元祖が「20世紀」。
20世紀は、1880(明治21)年、現在の千葉県の松戸市のゴミ捨て場から、松戸覚之助さんが実生(種から育つ事)の苗で発見したものなんです。拾った苗を育てた松戸氏はスゴイ。
なしは「nashi」の名で、海外にも輸出される人気もの。名付け親は札幌農学校(現北大)1期生の渡瀬虎次郎さんと東京帝国大学(現東大)教授の池田伴親博士。
19世紀から、 20世紀への贈り物だったのです。
この原木は昭和10年に国の天然記念物に指定されましたが昭和20年の空襲で焼けてしまいました。
鳥取はそれまで無かった果樹栽培に取り入れ大成功。農協には御神体としてなしの枝が祭られています。
名前はフランスなのに
洋なしのほとんどは、ヨーロッパの中東部のフランス、ベルギードイツ、イギリスなどが主産地です。「ラ・フランス」は名のとおりフランスの原産で、1864年頃発見された品種です。
黄緑色のごつごつした肌と褐色の斑点、主産地の山形県では別名「みくだナシ」(不器量なし)と見た目は冴えないが、香りととろける味わいは人気がある。
デザートに良く使われのはさすがフランス生まれ。ところが、本場のフランスでは、ほとんど栽培されていない。不細工な外見に名前負けしてしまったのだろうか。
お酒のような名前
洋梨の本場ヨーロッパのベルギー原産の「セニョール・デェスペラン」(一説にはアメリカの東部とありますが、洋ナシ自体がヨーロッパからアメリカに渡ったものなので、この説で)ですがなぜか日本で名前が違います。その名も不思議
なんですが「ブランデー・ワイン」と付いてます。
最初に食べた日本人が、とろーりとした食味を、ブランデーかはたまたワインかと表現したからなのか?
形はどっしりとした小さ目の洋ナシ型。味は、ラ・フランスとよく似た酸味の少ない甘味系です。
食べ方もラ・フランスと同じ触って柔らかくなったらです。くれぐれも色で判断しないで下さい。モチロン、デザート料理にも適してます。
洋梨だけど日本で
明治初年勧業寮の手で輸入され、広まったバートレット。
その苗木のうちで、1877(明治10)年ごろ、岡山県の「好本亀太郎」さんが、購入した中に、1本だけ違うものがまぎれこんでいたそうです。
これは、やがて和名がついて「好本号(よしもとごう)」日本で栽培されている洋梨なのに、まるで、競走馬の名。フランス生まれで、円錐から玉子型。
果皮は、完熟でレモン色。多汁で香気も強く、甘い。暖地でも育ち、豊産性。
ヨーロッパでは、和ナシを「サンドペア」洋梨を「バターペア」という。好本号は、洋梨らしからぬ名前だけど、高級品です。
西洋なしの貴婦人
「ル レクチエ」は「西洋なしの貴婦人」と呼ばれ、独特の芳香と、とろけるような食感が特徴です。
主に新潟県で生産されています。
フランスで1882年頃、「バートレット」と「フォルチュネ」の交配から育成された品種です。
17世紀のフランス宮廷に仕えた執事、レクチエ氏にちなんで 1889年に命名されました。
同氏は果樹園芸家としても有名で、執事として仕えながら、庭園に多くの果樹を植栽して楽しんだと伝えられています。
北海道のなし栽培の始まり
なし栽培のはじまりはかなり古く、江戸時代になります。
享保年間(1716年から1736年)に「市渡村(現在の大野町)」で植えられていた記録が残っています。
これは日本在来のものですが、洋なしは明治元年、ドイツ人ガルトネルが、現在の七飯町に導入したのが最初です。
その後、開拓史はアメリカ人ケプロンの意見をとりいれ、アメリカからバートレット、ブランディワインなど53種類の苗木を輸入しました。
現在、つくられている品種は約20種くらいです。
パリジェンヌ登場
「ゼネラル・レ・クラーク」は、フランスの近郊で1950年に発見された洋ナシです。両親は不明ですが、おそらく「ドワイエネ・デェ・コミス」の自然交雑実生(種から)では無いかと言われています。
日本には1977(昭和52)年に青森県畑作園芸試験場や果樹試験場によって導入されました。
果形は短めの洋ナシ型。皮は黄色く錆がついて厚い。果肉はなめらかで多果汁です。美味。
収穫時期としては、洋ナシの最後の方になります。洋ナシは、やはりヨーロッパから来たのでしょうね。調べればそこにたどり着く。ギリシャからだったら、オリンピックと一緒だなぁ。
10 中晩成種のコミス
なしのはなし9に登場した「ドワイエネ・デェ・コミス」通称は「コミス」
概観はとても美しい均整の取れた洋ナシです。錆が出やすいけれど全体は黄色。日に当たると赤い着色もします。果肉は柔らかくなめらかで、味は甘い系です。
洋ナシのファンからは最高級品との評価も。しかし、樹勢が弱く気候に左右され病害虫に弱い。歩留まりも悪いため、日本では普及していません。
食べ時期が難しい洋ナシですが、中晩成種は、後熟(追熟)の前に冷蔵で成熟を調整して出荷します。そうすることで品質を良好に保てるのです。
11 豊水
三水の中で一番遅く登場する梨です。
名前のように大きく柔らかな肉質で果汁が豊富な梨です。
1965(昭和40)年に菊水(青ナシ)と君塚早生(赤ナシ)を交配して出来ました。
ナシは80%以上が水分で見るべき栄養素は少ないのですが、この水気の多さが代謝に良く意外と若者にも好まれています。
また、酸味が少ないため酸っぱいのが苦手な人が好むようです。
カリウムが多いので、体内の余分な水分の排出に役だっているんです。
ナシの果汁を煮詰めて喉の薬に使ったという話も。
韓国ではキムチには欠かせないし、サラダにも。
12 プレコース
本名は「ドクトール・ジュール・ギュヨ−」フランス生まれで明治初年に勧業寮が50種輸入しましたが、
どれも結実不良の中プレコースだけは実った。
通り名の「プレコース」は早く出まわるという意味で、普通の洋ナシの最盛期は秋の盛り9月中ごろですが、
それに対して、このナシは晩夏になれば出始めます。
形はいわゆる洋ナシ型で、色も黄緑色から熟すと黄色になります。
ただし、果肉はなめらかさが少し少なく粗いです。味は淡白。でもくせはなくて始めて洋ナシを
食べる人ならこれも良いのかも知れないね。
13 豊かな梨
3水(幸水・新水・豊水)の中で一番ラストを飾るのが「豊水」
名前の通りに一番大きくて、柔らかな果肉と豊富な果汁が 特長です。1965(昭和40)年に「菊水」という青梨と「君津早生」 という赤梨を交配して誕生しました
梨は果実の中でも水分が多く、実に80%が水分です。水気が多いものを取ると、熱量代謝が活発になります。
丸梨は酸味が少ないので、酸味が苦手な人向きの果実
またカリウム(塩分を外に出す効果が)が多いです
丸梨は、加工品がほとんど無くて、90%以上が生食です
14 猫にはまたたび、猿には猿梨
日本から朝鮮半島、中国東北部に野生するマタタビ科の猿梨。
初夏に白い梅に似たの花が咲いて、果実は緑黄色で、特有の強い香りと甘酸味で、生食や果実酒などに使われます。
実はキウイフルーツの仲間で、色や味は小さなキウイです。
実はキウイフルーツが、この猿梨の改良種だったのです。
「サルナシ」という名は、果実がナシに良く似ていたことと サルが好んで食べ、また岩のくぼみで発酵させてサル酒まで作っていたということに由来しています 。
また、サルナシのツルは丈夫で腐りにくく 、杖やかんじき、イカダなどにも使われました。
木曽地方では「イカダムスビ」と呼ばれています
15 スタークリムソン
濃い紅色でまるでろう細工のような鮮やかな色が印象に残る洋ナシ
正確に名前を覚えるのが面倒なんですよね洋ナシって
この濃い赤い洋ナシは「スタークリムソンペア」と言います。
アメリカのミシガン州で発見された早生に属する品種です。
洋ナシの代表品種「バートレッド」が黄色く変化して食べごろを教えてくれる洋ナシなら
これは真っ赤に鮮やかに変化して食べごろを教えてくれます。
洋ナシは全般に収穫後すぐには食べられません。
手のひらい乗せてそっと包み込むように触って匂いを確認します。
熟すと硬かった果肉がふんわりと柔らかさを持って良い香りを発するようになってきます。
ただ、食べごろを過ぎるとフカフカの溶けた果肉になり味も無くなってしまいます。
ここを見分けるのも洋ナシの楽しみ方の一つですね。
16 ウィンターネリス
洋ナシはヨーロッパが本場ですが、ニッカウィスキーの原点のここ余市町でも
同じような気候が良かったのか洋ナシの栽培が盛んです。
洋ナシは、ヨーロッパの王侯貴族が栽培に貢献したのでしょうね。

今はもう栽培されていない洋ナシに「ウィンターネリス」があります。
味も絶品香りも良かったのに栽培されなくなってしまったのは、小玉なのと
収穫から食べられるようになるまでの期間がかかりすぎたせいですね。
ベルギーで19世紀初めにネリス氏が実生(種から育つこと)から選抜した品種。
アメリカには1823年に、日本には明治の初期に導入されました。
名前のように真冬に食べる洋ナシで、12月から2月くらいが食べごろ。
今は保存施設が整っているので、長期間追熟させるなど面倒で小型の果実は
売る側から敬遠されてしまうものですよね。
小さいだけでなく、果皮は錆びが出て見掛けも悪いのですが、肉質は緻密で
味も濃厚で香りも良かったのに、高級感が少なかったせいで消えてしまいました。
梨の樹の寿命は40年くらいです。
営農として生活をささえられない果実はいずれ消えてしまうのが無常です。
17 新高梨(にいたかなし)
円形で大玉の赤梨に分類されるのが新高梨です。
新潟原産の在来種「天の川」と高知県土佐市高岡町の今村家で育った在来種の梨の「今村秋」を交配して、
大正4(1915)年に育成されました。意外と歴史が長いですよね。
新高梨の名前の由来は新潟と高知の頭文字から命名されました。
産地は多く全国に渡り、昨年(2007年)はここ余市町でも収穫されました。
有名な主産は大分の日田市でしょうか。
糖度は高く、大玉にため病気見舞いや贈答品として良く使われています。

洋ナシに比べて日本の梨は食感がざらついていると良く言われます。
確かにイメージは消化が悪そうな感じですけど、実はこのザラザラはすごいんです。
これは「石細胞」と呼ばれ食べると消化過程で腸壁に触れて便通を良くします。
また梨は水分が多くカリウム、アスパラギン酸なども多く含まれているので、解熱作用や利尿効果も高いです。
果物全般に食物繊維が取れて疲労回復の効果がありますので、ブレイクタイムには
市販のゼリーなどを食べるより生のフルーツがお勧めですよ。
18 鴨梨(ヤーリー)
鴨梨(ヤーリー)は中国の河北省で栽培されている品種で明治初期に日本にも導入されました。
中国でも起源は不明で漢時代にすでに10種類もの品種があったと記されています。
中国の梨は洋ナシとは全く異なり肉質が固いまま食べます。
明治に勧業寮で導入して各地で試験栽培されましたが、花芽が付かなかったり栽培が難しく普及しませんでした。
ここ余市の名産の「千両梨」はこの鴨梨に由来するのではとも言われていますが、
何せこの中国梨すら「身しらず」なんですよね。

今では、その後に導入された中国梨の「慈梨(ツーリー)」の受粉樹として存在し岡山・長野などで花粉採取用に若干の樹が残っているだけだそうです。

何故に「鴨」なのかと言えば、鴨の首に頭の形が似ていたからだそうです。
貯蔵できて香りがあり日本人の嗜好に好まれそうな梨だったということで、一度食べて見たかった梨のNO1なのです。
19 ゼネラル・レ・クラーク
フランス南部で1950年頃に発見された洋ナシ。
両親とも不明ですが「ドワイエネ・デュ・コミス」の交雑実生(種から育つ事)では無いかと言われています。
日本には1977(昭和52)年に青森果樹試験場により導入。
果皮が厚く強く黄色い錆があり、肉質は緻密で滑らか、味は甘酸で農耕。多果汁で大型。晩成種です。
追熟に時間がかかるので注意。

パリの気品と南部の大らかさのある品種とフランスで言われる洋ナシです。

梨は基本的に、購入されてから出来るだけ早く食べるのがベストです。
その上で、保存する場合は冷暗所で保存すれば3〜4日。
冷蔵庫での保存であれば、1週間〜10日位は保存可能です(品種によって異なります)。
冷暗所での保存の際は、食べる数時間前に冷蔵庫に入れましょう。
冷蔵庫に入れる際は、乾燥に注意。果物保存に適したビニール袋に入れましょう。
20 慈梨(ツーリー)
鴨梨(ヤーリー)と並ぶ中国系の梨です。来歴は不明。日本には1912(明治45)年に導入されました。

芳香甘味、四百余州、及ぶもの無しが導入時の紹介文です。
洋ナシの形で黄色い果皮と茶色い斑点があるので、虎を連想すると言う事で「虎の子」と呼ばれました。
中国でも評価の高い梨で、香り高く甘く硬い系の梨です。

青い果で収穫し冷温追熟します。晩生種ですが、形が洋ナシのせいかあまり普及しないままの希少品種になっています。
中国系の梨は、千両梨以降の新品種が出て来ていない状況ですね。
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